インプラント手術後に抗生物質(抗菌薬)を内服すべきかどうか、ここには議論があります。また、術前投与といって、手術前に抗生物質を内服してもらうのも有効だと考えられます。

理論的な背景は割愛しますが、当院では術前投与、術後1週間の投与を行なっています。抗生物質の乱用は避けるべきですが、インプラント手術は感染を生じると異物になる人工物です。一度の手術に投与する抗生物質の影響と、万が一、感染が生じた場合のダメージを考えると、投与するべきだと当院では考えています。

また、インプラント手術に限りませんが、外科処置にはこのようなリスクがわずかながら伴うものです。外科処置への抗生物質術前投与は、心臓弁膜症や中隔欠損、あるいは免疫的な問題を抱えた患者さんたちには、重篤な感染症を回避できる有効な感染予防です。ある大学の循環器専門医とも議論したのですが、感染した場合の入院治療は患者さんにとっての大きな負担となりますので、当院では、抗生物質は内服したほうがいいと考えています。

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