インプラント治療を成功させる鍵は2つに分けて考えることができます。それは、インプラント治療が終わって機能を回復するまでと、その後の長期的な経過の2つです。前者のインプラントで機能を回復するには、インプラントの歴史の項で述べたオッセオインテグレーションという、インプラントが骨に結合することを成功させることが重要です。オッセオインテグレーション獲得の条件は、スウェーデンの生体材料の研究者である、アルブレクトソン教授によると(1981年)、以下の6つの条件を満たすことが必要です。

  • 1.生体親和性
  • 2.インプラントの表面性状
  • 3.インプラントのデザイン
  • 4.インプラント部位の状態
  • 5.外科的技術
  • 6.インプラント埋入からオッセオインテグレーション獲得するまでにかかる荷重のコントロール
  • ここでいう1)から3)まではデータのしっかりした信頼性の高いインプラントを選択することで対処できます。私はそうしたデータはすべてスウェーデンから発表されているので、オッセオインテグレーションのオリジナルであるブローネマルクシステムを使用しています。

    他のインプラントで少なくとも何とかこうした条件を満たしているのは、アストラ、ITI、3Iの3社くらいでしょうか?

    4)から6)の条件に関しては、十分にそれを理解したドクターが臨床に生かさなければならないところで、差がつきやすい部分です。

    繰り返しになりますが、4)のインプラント部位の状態はインプラントをする前に歯周病治療などにより徹底的な感染の除去が必要ですし、5)の外科のテクニックは一朝一夕で可能ではなく、十分な外科のトレーニングが必要です。6)についてはインプラントが骨に結合するまでの4~6ヶ月間の管理が重要になります。

    いずれにしても、1)~3)はハードウエア、4)~6)はソフトウエアの問題で、両方の条件を満たすことが重要です。

    次に、インプラント治療が成功裏に終わり、機能や審美性が回復したとしてもそれが長く継続しなければ意味がありません。ここからは我々医療サイドだけでなく、患者さんサイドのご協力が大切です。定期的な清掃、咬合(かみ合わせ)のチェック、機械的な疲労や、磨耗のチェックが重要です。

    また、残りの歯のチェックも重要で、レオンハート博士によると、歯周病の歯から細菌がインプラントにうつる可能性が指摘されています。

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